インビザライン(マウスピース型矯正装置)って何?
インビザラインとはマウスピース型矯正装置のことです。薄くて透明なマウスピースを1日20~22時間以上装着して歯を動かします。使用するマウスピースは1枚だけでなく、40~50枚のマウスピースを10日~2週間ごとに交換しながら少しずつ歯並びを整えます。
マウスピース型矯正装置は各社からさまざまなシステムが提供されていますが、歯型を採取する回数やマウスピース製作までの工程に大きな違いがあります。他のマウスピース型矯正装置は、毎回歯型を採取してからマウスピースを製作するものが一般的です。それに対してインビザラインは、最初の1回だけ歯型を採取し、独自のシミュレーションソフトを用いて理想の歯並びまでのマウスピースを全て製作します。
1998年にアメリカで開発されたインビザラインは日々改良が加えられており、今では世界80ヶ国以上、500万人以上の方が治療を受けています。
インビザラインのメリットは?デメリットは?
インビザラインは、見た目や利便性などさまざまな面でメリットがありますが、対応できる症例に限りがあるなどデメリットもあります。治療を始める前はメリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。
インビザラインのメリット
まずはインビザラインのメリットについて見ていきましょう。
装置が透明で目立たない
インビザラインは透明なマウスピースを用いるため、目立つことはありません。また歯を動かすために必要なアタッチメントも歯と同じような色をしているため、審美的な影響は少ないです。
食事や歯磨きの際は取り外せる
マウスピースはご自身で取り外しが行えます。食事の際は外していつも通りに楽しむことができ、歯磨きの際も装置が邪魔になることはありません。
痛みや違和感が少ない
1枚のマウスピースで動かせる歯の移動量は0.2mm程度。少しずつ歯を動かすため、ワイヤー矯正と比較すると痛みが少ないと言われています。
通院回数が少なくて済む
インビザライン矯正は1回の型取りで全てのマウスピースを製作できるため、通院回数は少なくて済みます。
金属アレルギーの心配がない
マウスピースやアタッチメントは金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配はありません。
幅広い症例に対応できる
例えば、抜歯が必要なケースなど、他のマウスピース矯正では対応できないような症例でも、顎間ゴムや部分的なワイヤー矯正を併用することで幅広く治療が可能です。
インビザラインのデメリット
次にインビザラインのデメリットについて見ていきましょう。
自己管理が求められる
マウスピースは取り外しが行えるため、装着時間はご自身で管理する必要があります。装着時間が短かったり、忘れたりすることが多い場合は計画通りに進まなくなる可能性があります。
アタッチメントを装着する必要がある
インビザライン矯正はマウスピースだけでなく、歯を動かすために歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる装置をつける必要があります。アタッチメントは歯と同じような色をしているため、目立つことはほとんどありません。ただ、つけた後は慣れるまで違和感を覚えることがあります。
食後は歯磨きをしてから装着する
マウスピースを外して食事を楽しむことができますが、再装着する際は必ず歯磨きをしてからつけるようにしましょう。歯磨きをせず再装着すると、マウスピースで食べかすを閉じ込めてしまい、虫歯や歯周病の原因となります。
対応できない症例がある
インビザライン矯正は全ての症例に対応できる治療ではありません。例えば、重度の出っ歯や受け口、凸凹した歯並びはインビザラインよりもワイヤー矯正が適している可能性があります。
インビザラインに関するよくある質問をご紹介
症例にもよりますが、インビザラインの費用相場は約75万円~100万円です。これに加えて精密検査料、調整料、保定装置料が別途でかかることがあります。
Q.治療期間はおおよそどのくらい?
個人差はありますが、一般的に1年半~2年ほどです。インビザラインは1枚のマウスピースで動かせる歯の移動量が少なく、ワイヤー矯正と比較するとインビザライン矯正の方が多少長くなることが多いです。
Q.インビザラインに年齢制限はある?
基本的には永久歯に生え替わっていれば受けることができ、お口の状態が良ければ50代、60代からでも始められます。
さいごに
インビザラインはマウスピースを装着するだけで歯並びを整えられることから、矯正治療のハードルは低くなっています。しかし、知識・経験が少ない歯科医師が治療を行なったり、矯正専門医でない歯科医師が治療にあたったりするなどトラブルも増えています。
インビザラインはシミュレーションで治療計画を立てるため、どの歯科医院で受けても同じだと思われがちですが、最終的な治療計画は歯科医師の知識・経験に大きく左右されます。
インビザライン矯正を受ける際は失敗しないためにも、症例数が多い歯科医院を選ぶ、矯正専門医・認定医がいる歯科医院を選ぶなど歯科医院選びが非常に大切です。