歯が欠ける原因ってなに?
内因性の原因によるもの
虫歯
虫歯菌の出す酸によって歯が溶かされるのが虫歯です。
歯の表面のエナメル質はとても硬く割れにくい構造となっていますが、その下の象牙質は小さな穴があいている構造のため、少し柔らかめです。
エナメル質が溶かされてしまうと、象牙質が直接酸に晒されてしまいます。
エナメル質より溶ける速度の速い象牙質はどんどん溶かされ、エナメル質に空いた穴が小さくても、内部で大きな空洞となってしまいます。
その結果、歯が欠けたり折れたりしてしまいます。
かみ合わせの悪さ
かみ合わせが悪いと力が均等にかからず、数本の歯にだけ強い負担がかかってしまいます。
また、そのかみ合わせで慣れてしまっている場合、少しずつダメージが蓄積していても分からないことがあります。
気が付いた時にはヒビが入ってしまっていた、ということも少なくありません。
歯ぎしり・食いしばり
睡眠時に無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりは、起床時の数倍の力で行われているといわれています。
正常な人でも歯ぎしりはしますが、一晩に数分程度でおさまります。
しかし、常習化している方の場合、1時間以上も断続的に歯ぎしりをしてしまいます。
歯にかかる力と、その長さで負担は増し、歯が折れたり欠けたりしやすくなってしまいます。
外因性の原因によるもの
外傷
スポーツ中の事故などで歯が折れてしまうことがあります。
主に前歯に起こりやすく、欠けただけでは済まないことも多くあります。
その結果、現在は様々なスポーツでマウスピースの着用が推奨されるようになりました。
酸蝕歯(さんしょくし)
虫歯による酸ではなく、外的要因としての酸で歯が欠けやすくなってしまうことがあります。
フルーツやワインなどによって起こるだけでなく、塩酸や硝酸などの酸性の物質を扱う仕事の方にも見られます。
歯が欠けた時はどうすればいい?
歯が欠けた部分を触らない
大きく欠けてしまっても、一部分だけ欠けてしまっても、その部分には触らないようにしましょう。
舌を傷つけてしまう可能性と共に、歯(傷など)の方にも雑菌が入ったり、ダメージを与えてしまったりする危険があります。
欠けた部分は保存する
歯がそのまま抜けてしまったような形であれば、歯の周りに残っている軟組織を乾燥させないために、牛乳に入れて歯科に持参すると良いといわれています。
再植といって、再び骨へ定着させられる可能性があります。
また、一部分が欠けてしまった場合でも欠けた歯は保存し、歯科に持参しましょう。
痛みがある場合は鎮痛剤を服用
神経の損傷があると、かなりの痛みを伴います。
歯科を受診するまでに時間がかかる場合は、我慢せずに鎮痛剤を服用しましょう。
出来るだけ早く歯科医院へ
再植は速さが命です。元に戻せそうな場合は出来るだけ早く歯科医院へ行くことが大切です。
また、再植を必要としない欠け・折れの場合であっても、出来るだけ早く歯科医院を受診しましょう。
放置すれば悪化したりさらに欠けたりする原因になってしまいます。
歯科医院ではどのように治療するの?
小さく欠けた場合
レジンというプラスチック製の詰め物をします。
小さな虫歯の時にも選択される治療法です。
神経が温存できる欠け方
小さな欠けとはいえない欠け方をしてしまった場合、真っ先に神経が温存できるかどうかが検討されます。
神経が温存できる場合、特に奥歯の場合だと、インレーという一部分だけ歯を覆う治療で済むこともあります。
また、神経が温存できても、さらなる欠けやダメージを防ぐために歯全体を覆う被せ物をすることもあります。
特に前歯はインレーが適応しないため、全体の被せ物になる可能性が高くなります。
神経が温存出来ない欠け方
神経がない歯は脆く、欠けやすいため、神経を温存出来ない歯は全体を被せ物で覆う必要があります。
また、大きく折れてしまった場合は歯自体を残すのが難しいケースもあります。
縦に割れてしまった場合
縦に割れてしまった場合、歯自体を残すのが難しくなりがちです。
抜歯のあと、補綴物を入れる治療を行います。
さいごに
歯が欠けた時に大切なのは、原因を突き止めて取り除くことです。突発的な外傷によるもの以外は、それぞれに合った対処法があります。歯科医院に相談し、かみ合わせの改善やマウスピースの使用を検討すると良いでしょう。また、虫歯によるものの場合、定期的な検診に通うことによって早めに気づくことができます。歯の欠け・割れの再発のリスクを避けるためにも、信頼できる歯科医院で診断を受けることが大切です。