銀歯を詰め替えたほうがいい4つの理由
昔から活用されている銀歯ではありますが、実はさまざまな影響を与えてしまうことが、近年明らかになってきました。以下の理由から、銀歯の詰め替えが検討されつつあります。
1.銀歯の下は虫歯になりやすい
経年劣化とともに歯と銀歯の間に数ミリ単位の隙間が出来てしまいます。その隙間から虫歯菌が侵入し、銀歯の下で虫歯が進行していきます。銀歯で隠れているため気づきにくく、ある程度進行してから気づくことが多いのが特徴です。
2.金属アレルギーになりやすい
経年劣化とともに唾液によって銀歯が溶かされ、銀イオンが体内に蓄積していきます。やがてアレルギーを発症してしまうリスクをともないます。
3.昔入れた銀歯はアマルガムを使っており有害である
人体に有害となる水銀が含まれるアマルガムは、1990年代まで歯科治療で活用されていました。現在は使用されていないものの、お口の中のアマルガムが劣化とともに溶けだし、人体に影響を与えてしまう可能性があります。
4.銀歯は歯ぐきを黒くする可能性がある
銀歯が経年劣化とともに唾液で溶かされていくと、銀イオンが歯ぐきに染み出し、やがて歯ぐきの辺縁が黒くなる恐れがあります。
コンポジットレジンのメリット・デメリット
銀歯の詰め物や被せ物のかわりに活用される、コンポジットレジンは、歯科用プラスチックで作られています。以下の特性を把握した上で、選択しましょう。
・メリット
天然歯と見分けがつかない
周囲の歯と近い色合いのコンポジットレジンを選択できるため、天然歯と見分けがつかないほどです。
負担を最小限に抑えられる
歯を削る量が少なく、1度の施術で治療を終えられます。
金属アレルギーの心配がない
金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。
保険診療で受けられる
保険診療が適用されるため、総額の数割程度の負担で治療を受けられます。
・デメリット
変色してしまう
経年劣化にともない、変色する特性があります。半永久的に維持するのは難しいため、定期的なメインテナンスが必要になります。
欠けてしまうことがある
強い力が加わると、欠ける場合があります。破損を繰り返す場合は、メタルインレー、セラミックインレーなどへの作り変えが検討されます。
奥歯に適応しない場合もある
奥歯は大きな力が加わりやすく、破損の恐れもともなうため、奥歯に適応しないケースもあります。
セラミックインレーのメリット・デメリット
銀歯の詰め物のかわりに活用される、セラミックインレーは陶器で出来ているため、天然歯に近い透明感があるのが特徴です。以下の特性を把握した上で、選択しましょう。
・メリット
天然歯に似た透明感がある
陶器で出来ているため、光りを通す透明感のあるインレーです。周囲の色に合わせて作れるため、天然歯と見分けがつきません。
変色が少ない
陶器で出来ているため、変色しにくく、長期に渡り透明感を維持できます。
二次虫歯になりにくい
銀歯やコンポジットレジンよりも精密な設計ができるため、虫歯菌の侵入をある程度防ぐことが可能です。
・デメリット
歯を削る量が多い
インレーを安定して装着させるためには、コンポジットレジンよりも削る必要があります。
金属に比べると耐久性がない
陶器で出来ているため、強い力が加わると割れる可能性もあります。
費用が高価
全額自費となるため、コンポジットレジンに比べると高価になります。
さいごに
これまでご紹介した内容と合わせて、詰め物についてまとめていきましょう。
詰め物は素材毎に寿命が変わる
・銀歯:3~5年
・コンポジットレジン:5年
・セラミック:10~20年
不具合がないか定期検診を受ける必要がある
6か月に1度、歯のクリーニングなどもかねて、詰め物などのチェックを受けましょう。
詰め物を劣化させる行為がある
・清掃不良
・精度の低い歯科治療
・歯並びの乱れや、かみ合わせのズレ
詰め物の劣化で二次トラブルが起きる
詰め物の下で虫歯が進行してしまう恐れがあるため、詰め物の劣化には十分注意する必要があります。
このように、詰め物は状況により劣化する恐れもあり、定期的に検診を受けることが大切です。詰め物の状態を把握していただくことで、二次トラブルまでも回避できるようになります。