ジェットウォッシャーは歯周病に効果がある?

ジェットウォッシャー(家庭用口腔洗浄器)とは

ジェットウォッシャーと呼ばれる、家庭用の口腔ケア用品をご存じでしょうか?
細いノズルから勢いよく水を噴射することで、歯ブラシが届かない歯と歯の間の汚れなどを洗い流すことを目的に開発された、家庭用口腔洗浄器です。
現在、国内外さまざまなメーカーから製造・販売され、それぞれの製品にいろいろな特徴があります。
大型家電量販店では、電動歯ブラシなどの口腔ケアグッズのコーナーで展開している場合が多いです。

ジェットウォッシャーを使った方が良い人は?

ジェットウォッシャーは、基本的に歯ブラシが届かない歯と歯の間にアプローチすることを目的としています。
ふだんの歯みがきで歯ブラシしか使っていない、歯間ブラシやデンタルフロスなど、歯と歯の間の汚れを落とすための口腔ケア用品の使用が習慣化していない人にとっては、口腔環境の改善に役立つ便利な道具になる可能性があります。
逆に言うと、ふだんから歯間ブラシやデンタルフロスを使用して歯と歯の間の汚れを落としている人、その方法を、面倒だと感じずに習慣化できている人にとっては、ジェットウォッシャーは必要ないかも知れません。
また、歯周病がすでにある程度進行していて、歯ぐきがムズムズするような自覚症状が出ている人にとっては、ジェットウォッシャーの水流が、マッサージ的な効果を発揮して、気持ちが良いという意見も聞きます。

ジェットウォッシャーでむし歯・歯周病が治ることはありません

ジェットウォッシャーを使用すると、歯や歯ぐきに勢いよく水が当たり、爽快感があります。
口の中がスッキリするので、歯みがきが終わったような気持ちになってしまう人もいる様です。
しかし、ジェットウォッシャーの水圧だけでは落とせない汚れもあります。
とくにむし歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)はネバネバしていて歯の表面に貼り付くので、歯ブラシを的確な角度で当てて、こすらないと落とせない場合が多いです。
歯ぐきへのマッサージ効果で、歯周病の症状が軽減されたような気分になったとしても、あくまで一時的なもので、水を当てただけですから、治療的な効果は見込めません。
ジェットウォッシャーを使えばスッキリするから歯科医院には行かなくて良い、といった自己判断はせず、気になる症状がある場合は、必ず歯科医院で診てもらい、適切な治療を受けましょう。

さいごに

家庭での口腔ケア、とくに歯ブラシだけで除去できる歯垢は、口腔内全体の60%程度と言われています。
物理的にブラシが届かない歯と歯の間の汚れには、ジェットウォッシャーや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの補助的な機器や道具の使用を習慣化することが重要です。
歯ブラシに加えて、補助的なグッズも併用して、毎日入念にセルフケアに取り組んでいても、落としきれない歯垢はやがて歯石となり、徐々に蓄積してしまいます。
歯石は、ご家庭でのケアで除去することはできないので、歯科医院でのプロケアで除去してもらいましょう。
歯科医院は、むし歯や歯周病などの治療を受ける場所、という捉え方ではなく、美容院やマッサージ店などのように、定期的に通ってメンテナンスを受ける場所、と捉えましょう。
歯科医院での定期検診を習慣化することが、健康な口腔環境を維持するためには、とても大切です。