食いしばりは歯医者で改善できる?歯ぎしり・食いしばりの原因と治療方法について

  • 2023年8月17日
  • 2023年8月24日
  • その他

食いしばりや歯ぎしりってどんなもの?

朝目覚めたら顎がだるい、大きくお口を開けられない。そんな症状はありませんか?それは夜寝ている間に無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。
また、寝ている間の歯ぎしり以外にも、日中の歯の接触癖が原因で顎の不調や全身に影響を及ぼすことも。
上下の歯が強く接触する歯ぎしり・食いしばりは大きく分けて3つに分類されます。

グラインディング

ギリギリと歯を擦り合わせる行為のこと。歯ぎしりとも言われます。
強く噛み込んだ歯を擦り合わせるため、ギリギリと音が鳴り周りの人に歯ぎしりをしているのではないかと気づいてもらえるケースが多いです。
歯のすり減りが目立つことも特徴で、犬歯や奥歯の噛み合わせが平らになってしまったり、エナメル質表面が削れて中の象牙質が見えてしまう人も。
実は歯は横に揺さぶられる力に弱く、歯槽骨も強いダメージを負ってしまいます。

クレンチング

ぐっと上下の歯を強く噛み締めること。食いしばりとも言われます。
就寝時の他にも日中の起きている時間にも行いやすいのがクレンチングです。音が鳴らない分、周りの人も本人も気付かずに過ごしていることも。
日常的に強い力がかかり続けるため、歯が割れてしまうという方はクレンチングを多く行っていることがあります。

タッピング

上下の歯をカチカチとか噛み合わせる行為。
歯ぎしり・食いしばりの中では珍しく、歯や歯の周りに対するダメージも比較的少ないのがタッピングです。
カチカチと音が響くため、周りの人だけでなく自分でも自覚しやすいという特徴を持っています。

食いしばりはなぜ起きる?原因について

歯ぎしり・食いしばりは大きく分けて3つの原因が考えられます。

噛み合わせの問題

自分自身の歯並びによって歯ぎしり・食いしばりを引き起こすことも。不正咬合や開口、反対咬合、叢生など奥歯や特定の歯に負担がかかりやすい歯並びの場合、無意識に噛み締めてしまうことがあります。
また、治療した歯の高さが合わない場合も、普段通りに噛んでいたとしてもその歯だけは強く当たってしまうため、ダメージを受けてしまうことがあるのも要因の一つです。

意識的な問題

力仕事やスポーツなど、力を入れる瞬間にぐっと噛み締めることがあります。そのため、職業柄噛み締めてしまうという方も。食事の際に片噛みが癖になっている場合も就寝時の食いしばりにつながっているのではないかとも言われています。

精神的な問題

ストレスが強くかかると食いしばってしまうことがあります。クレンチング症候群と言われていて、日常的な緊張やストレス・不安を強く抱えていると無意識に食いしばってしまいます。また、物事に集中しているときや就寝中にも無自覚の間に歯ぎしり・食いしばりは起こってしまいます。

食いしばり・歯ぎしりの対処法、治療法はどんなもの?

歯ぎしりへの対策は程度によって様々です。

マウスピース

強い力から歯を守るために、就寝時に使用するマウスピースを作成します。
歯と歯の間に一枚クッションを挟むことで強い衝撃を抑え、歯のダメージを軽減することが目的です。
市販でも販売されていますが、ご自身の歯の型に合わないものを使ってしまうと歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすこともあるため、歯科医院で行う型取りで歯列にピッタリと合うマウスピースを作成してもらいましょう。

ボトックス注射

歯ぎしりや食いしばりが日常的に行われることで、咬筋が緊張しすぎてしまい肥大することも起こり得ます。その場合、顎の痛みや頭痛、顔の輪郭の変化やストレス、むくみ、血行不良など筋肉の緊張によって様々な不調が起こることも。
ボトックス注射は、筋肉の働きを抑制する効果があるため歯ぎしり・食いしばりの改善につながります。

噛み合わせ治療

歯ぎしりや食いしばりはご自身の歯並びや治療痕によって引き起こされることもあります。その場合、噛み合わせ調整を行うことで改善が見込める可能性があるため、噛み合わせの位置や強さを確認し、調整を行うことも。
噛み合わせが原因となる時、肩こり・頭痛・眼精疲労・腰痛など全身的な症状としても現れることがあるため、心当たりがある方はぜひ歯科医院にご相談ください。

さいごに

最後に、歯ぎしりや食いしばりは放置すると歯が割れたり削れたりする原因となってしまいます。歯ぎしりや食いしばりの問題はお口の中だけでなく、顎の骨や首・肩の筋肉など全身へ悪影響を及ぼしてしまうこともあり得ます。
人によって症状や原因・対策の仕方・治療法は異なるため、心当たりがある場合は早めに歯科医院に相談して早めの治療を進めることが大切です。