口輪筋って何?
口輪筋(こうりんきん)とは、唇の周りを囲む筋肉のことです。口輪筋は唇をすぼめたり閉じたり、突き出したりと細かい動きをする時に使います。
口輪筋は意識しないと動かすことがないため衰えやすく、顔のたるみやほうれい線、マリオネットラインにつながり老けた印象になってしまいます。
他にも、口角が下がることで無表情・不機嫌な表情になってしまいます。
お口への影響では、口輪筋が衰えることで口が開きやすくなってしまい「口呼吸」になります。普段私たちは鼻呼吸をしているのが正常ですが、口呼吸になってしまうとお口の中が常に乾燥した状態になり雑菌が繁殖しやすく、口臭や虫歯の原因になります。
特に最近では新型コロナの影響でマスクをする時間が増え、お口周りの筋肉を使う機会が減りました。そのため、普段から意識して口輪筋を鍛えることで、これらの問題を予防・改善していくことが重要です。
鍛えることで期待できる効果
口輪筋は意識して鍛えることで、多くのメリットを感じることができます。以下で主なメリットをご紹介していきます。
ほうれい線や口周りのたるみを予防
口輪筋を意識して鍛えることで、お口周りのたるみやほうれい線を予防することができます。口輪筋は頬筋や笑筋、オトガイ筋などのさまざまな表情筋とつながっているため、口輪筋を鍛えることで表情筋がしっかりとお顔全体の皮膚を支えられるようになります。その結果、ハリのある若々しい印象を保つことができます。
口呼吸を予防・改善する
口呼吸になってしまっている方は、口輪筋が衰えていることで唇を閉じる力が弱まっている可能性があります。口輪筋を鍛えることで、唇を常に閉じていられるようになると、自然と口呼吸から鼻呼吸へと改善され、口腔乾燥や口臭、虫歯の予防につながります。
いびきを改善する
唇の力が弱く口が開いた状態で寝ていると、舌が喉元の方へ落ちて気道を塞ぎ「いびき」になってしまいます。口輪筋は、舌を持ち上げる顎舌骨筋とも繋がっているため、鍛えることで正しい位置に舌をキープすることができ、いびきを改善することができます。
明るい印象を与える
口輪筋を鍛えることで表情筋がよく動くようになりお顔全体がリフトアップ、そして口角がキュッと上に向くようになるため、明るく若々しい印象になります。
口輪筋はどうやって鍛える?
ここでは具体的な口輪筋の鍛え方をご説明します。ご自宅で簡単にできるものから歯科医院で推奨しているものなど幅広くご紹介していきますので、ご自身にあった方法で口輪筋を鍛えてみましょう。
口輪筋のストレッチ
まず、本格的な口輪筋のトレーニングに入る前にストレッチで筋肉をほぐしていきましょう。方法はとっても簡単です。
まず、縦に口を開けて「あ」の口をつくります。唇まわりの筋肉が縦に引っ張り合っていることを意識しましょう。次に、「あ」の口のまま唇を前に出して、息を吐きながら「お」の口をつくりましょう。この時お口周りの筋肉がピンと張っている状態を意識してください。
この流れをゆっくり10回ほど繰り返しましょう。
自宅でできるペットボトルトレーニング
まず空のペットボトルを用意しましょう。肩幅程度に足を開き、立った姿勢で行います。
1.口をすぼめ「ほー」っと声を出しながら、息をすべて吐きます
2.そのままペットボトルを唇でくわえ、ペットボトルがへこむ程度に息を吸い込みます。この時、お尻をしめて頬に負荷がかかるのを意識しましょう。
3.限界まで吸い込んだら、ゆっくり息を吐きだします
これを1日3セット行うようにしましょう。
パタカラ体操
こちらは歯科医院で推奨されている「パタカラ」といった器具を使った体操です。プラスチックでできた器具ですが、器具を口にくわえてさまざまな方向に引っ張ることで口の内側から口輪筋へ刺激を与え、表情筋を活性化します。
出典:株式会社パタカラ
さいごに
口輪筋を鍛えることで口呼吸を予防し、感染症や虫歯、お口の乾燥を防ぐことができます。また、口輪筋体操で表情が豊かになると、人とのコミュニケーションもとりやすくなって、気持ちも明るくなりますよね。
体の健康と豊かな表情で毎日を楽しむためにも、適度に鍛えてみてはいかがでしょうか?
今回紹介した方法以外にも、口輪筋を鍛える方法はたくさんあります。興味のある方、お口ポカンが気になっている方は歯科医院に相談してみましょう。