毎日の歯磨きはいつすればいいの?適切なタイミングと回数について

歯磨きは食事の食べかす・歯垢の除去のため、歯周病にならないためと思って毎日頑張って磨いておられるかと思います。

しかし、忙しい毎日を過ごしている方にとって、そう頻繁に歯磨きをする余裕はないと思います。では、歯磨きのタイミングはいつがベストなのでしょうか。

ネットや雑誌記事などを見てみると多くの情報があります。はたしてどのタイミングがいいのか、判断に迷われる方が多いと思います。

食べた後にすぐ磨くのはダメ?

「食べた後にすぐ歯を磨くのは避けた方がいい」という話を聞きます。

その話のロジックは次の通りです。まず食事をすると食べかすを栄養源としてお口の中にいる細菌が酸を発生させ、お口の中全体が酸性の状態になります。その酸が歯の表面のエナメル質を脱灰し、虫歯になりやすい弱い状態なることから、歯磨きをすると歯の表面を傷つけてしまいかねません。唾液には脱灰されたエナメル質を再石灰化させる役割がありますので、この再石灰化を待って歯磨きをしましょう、というものです。

確かに、そういうことなのか、と納得してしまいそうなロジックではあります。しかし、これはどこまで正しいのでしょうか。酸蝕症という診断をされた方や多数の虫歯がある方は、もともと歯の表面が弱いという特徴があります。食後すぐの歯磨きでこれらの症状を悪化させてしまうこともあるかもしれません。しかし、当てはまらない方にとっては、それよりも、早く食べカスを除去し、口臭を抑えることが大切です。再石灰化を待つ必要はありません。

1日に磨く回数は何回くらい?

では、1日に何回、いつ磨くことが重要なのでしょうか。

よくある歯磨きのタイミングは起床時、毎食後、就寝前の3つではないでしょうか。

起床時

寝ている間は食事も水分も摂らず、歯磨きもしません。この間は残った食べかす(プラーク)を栄養源として、お口の中では多くの細菌が繁殖する時間帯です。起床時は、これら繁殖した細菌が最も増えているタイミングと言えるでしょう。この増えた細菌類を除去するためには、起床時の歯磨きは欠かせません。

朝食後、昼食後

これら食事の後は、仕事をされる方が多いかと思います。食べかすを栄養源に細菌が繁殖し、食事の匂いも加わって、口臭がひどくなります。

細菌繁殖を抑制して口臭をおさえるためにも、朝食後、昼食後の歯磨きはしておきたいものです。ただ、朝食後は出勤前であまり時間がない、という方もおられるでしょう。口臭予防のマウスウォッシュだけでも取り入れてみてはいかがでしょうか。

夕食後

夕食の時間は皆さんバラバラだと思います。毎日早めの時間に夕食をとられる方もおられれば、いつも夜遅くの食事になってしまう方もおられるでしょう。就寝前の時間と近いだけに、できれば夕食後の歯磨きもしておきたいところですが、就寝前の歯磨きと兼ねることも一案かもしれません。

就寝前

先ほども述べましたが、就寝中はお口の中で細菌が増えていきます。この細菌が増えるスタートの状態をできるだけ良好に保つ、つまりお口の中をできるだけ綺麗にしておいて明日に備える、という意味で、就寝前の歯磨きは必ず行いたいものです。この就寝前の歯磨きは、1日の中で一番時間が取れるのではないでしょうか。明日への準備として、ゆっくりと、ていねいに歯磨きを行ってみましょう。

さいごに

ここまで歯磨きのタイミングについて触れてきましたが、大切なのは、タイミングや回数だけではありません。皆さんのお口の状況に応じた歯ブラシの選択も忘れてはいけません。そして歯磨きの仕方も大切なポイントです。効果的な歯磨きにつながります。

そして、定期的に歯科医院を受診することも忘れてはいけません。見えないところ、磨きにくいところを専門的に綺麗にしてもらいましょう。合わせて虫歯など異常がないかチェックしてもらうことは、お口の健康管理にとても大切です。